以前の私は、
「私、人見知りなんで」
が口癖だった。
初対面の人がいる場所に行く時は、いつも緊張する。
集合場所に向かう電車内。電車の動きに合わせて私の気持ちもゆらゆらと揺れる。
「反対車線の電車に乗り換えて、家に帰ろうかな…」
緊張する原因はわかっていた。
「うまく話せるかな」
「笑われないかな」
こんなことばかり考えていたからだ。
そんな内気だった私を変えたのは、1冊の本。
水野敬也さんの『運命の恋をかなえるスタンダール』
主人公は内気な性格の聡子。
恋愛経験もなく、本が友達…というような控えめで地味な性格。
でも、ある日恋をして「自分を変えよう!」と殻を破って変身していくというストーリー。
その中に、こんな一文があった。
「緊張する人間というのは、自分がどう見られているかを過剰に気にしているーーーつまり自分に意識が向きすぎているのだ。 だから、意識を外に向けなさい。」
そうか、自分のことばかり考えていたからダメだったんだ。
そもそも相手は私が気にするほど、私の細かいところなんてきっと見ていない。
そう思うと、気持ちが楽になった。
そして「私、人見知りなんです」と自分で自分に呪いをかけるのを止めた。
笑われてもいい、変と思われても良い。
自分じゃなくて、相手に意識を向けよう。
そんな意識で人と接してみたら、面白いことに以前より人と話すのが楽しくなった。
今まではオフ会とか初対面の人がたくさんいる場所に行くと、絶対に「私、人見知りで…」って前置きして会話してたけど、昨日は頑張って一言も言わないようにした!
人見知り宣言は意識が自分に向きまくってる状態。それよりも相手に意識が向くことのほうが大事かなあと。#ヒトデナイトイラレポ pic.twitter.com/siYED3VszB
— たっつん/図解イラストの人 (@Tatsu_2015) 2018年3月25日
そうか、壁を作っていたのは私だったんだ。 傷つくのが怖くて、弱い自分を守っていたんだ。
「人見知り」という鎧を脱いだら、とても軽やかな世界が待っていた。